「東洋紡 工業用フィルムの光学用比率は6割から2割へ」

(2011/12/20)

 東洋紡の工業用フィルムの売上のうち、光学用が6割を占めていますが、今後、太陽電池、タッチパネル、電子部品用フィルム用途を強化して、その比率を2割まで下げるとの発表が、化学工業日報に掲載されていました。敦賀事業所に関しては、生産能力を倍増させるとのこと。

 見た目は同じでも、全く違う機能を持つのが、透明フィルムの世界です。導電性、絶縁性、耐熱性、耐摩耗性、といった、用途に応じて様々な特性がフィルムには求められています。液晶テレビの販売不振が続く一方で、スマートフォンやタブレット端末の売れ行きは好調であり、こういった生産構成の変更は、市場のニーズに基く必然であるといえます。このように、高い機能を要求される工業用フィルムに関しても、時流に対応して生産品目を変えていかなければなりません。生産品目を変えるということは、新規製品開発だけでなく、生産設備をもそのたびに変更して、変化する市場の要求に応え続けなければなりません。そのことが、透明フィルムへの新規メーカーの参入を難しくしており、大手企業が、この分野で強いポジションを持っている1つの理由でもあります。

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