「インクジェット用着色剤」

(2012/01/06)

 今では写真印刷や年賀状印刷に欠かせないツールとなったインクジェット。このインクジェットインクの着色剤には、染料系と顔料系の2種類があります。染料系のメリットは画像の精細さと色域の広さです。染料は顔料のように粒子径ではないので、微細な表現ができます。一方、顔料インクのメリットは、耐候性。かつて、染料インクで印刷した写真は、時間が経つと色あせるという問題があり、その問題を解決するために、顔料インクが開発されました。今では、染料インクの耐候性も飛躍的に向上し、インクジェットプリンターは家庭用も業務用も、顔料インクと染料インクの両方が存在しています。

 

昨日の化学工業日報にて、「日本化薬がスイスのイルフォード社のIJ染料事業を買収」との発表がありました。日本化薬は、染料インクの性能の向上に多大な貢献をした企業であり、今回の買収で、業界トップの地位を括弧たるものとします。イルフォード社といえば、かつて、インクジェット用の紙の事業を王子製紙に売却し、それにより王子製紙はインクジェット用紙で業界トップとなりました。

 

インクジェット関連のケミカルも、日本が世界に誇る、業界トップの技術です。

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