活性炭は、炭素とその他の無機物からなる多孔の物質で、その細孔に様々な不純物を吸着させることから、飲料水のフィルターや金属酸化物の洗浄用など幅広い用途で使用されています。不純物のため機能しなくなった素材を、活性化させるという意味合いも、活性炭という言葉に含まれているのでしょう。さて、クレハが今回開拓しようとしている活性炭の市場は、半導体の純化用。半導体といえば、非常に高い純度が求められる用途です。「ポリシリコンの原料となるトリクロロシランを液体状態で活性炭を詰めた容器に通すことで、微量のボロンやリンを削減する」(化学工業日報)とのこと。技術開発がどれだけ進んでも、産業構造が大きく変わっても、新しい技術と用途を生み出すのは、ケミカルの基礎的な要素であることを強く感じさせられました。