電子ペーパーは1970年代に富士ゼロックスの研究者によって開発されました。今では、キンドルやiLiadといった電子書籍、携帯電話といった端末以外にも、野外のサイン広告でも使用されています。モノクロ技術が主体なので、消費材としての用途はまだ限られており、液晶や有機ELのような脚光は浴びていませんが、その技術力は着実に高まっています。
電子ペーパーのメリットをあげると、以下の通りです。
①液晶ディスプレイでは不可欠な偏光板がいらない
②画像保持のために電気を与え続ける必要がないため、省エネ
③応答性が良く、液晶等と比べても、走査性に問題はない
④フレキシブルなので、丸い壁面や天井にも設置可能
一方、デメリットは
①画面が暗い
②単純な白黒表示には適しているが、白黒の中間色といった、2色でも色域に幅を持
たせるような色を再現する場合は、時間がかかる。
やはり、省エネという特性が大きいです。特に、液晶はLEDで省エネになったとはいえ、lbバックライトや液晶の配向のための電力の削減には限界があります。有機ELはその点、自己発光するので、どちらも不要ですが、発光のために電力が必要となりますし、耐候性の問題もあります。画質の良さよりも、省エネが求められるアプリケーションは、たくさんあると思います。日本では、セイコーエプソンやブリジストンが業界を牽引しています。アメリカもE-inkなど、ベンチャーから大手に発展した企業があります。それぞれ、全く異なる方式で、電子ペーパーを実現しています。脚光を浴びていないこの電子ペーパーを、業界に先駆けて、メジャーにするのは、どの企業か?2012年、この決着がつくような気がします。